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6/23 塩谷哲 Solo Salt 2012 @Hakuju Hall

6/23 塩谷哲 Solo Salt @Hakuju Hall

ひさしぶりのSALTさんのソロ。
白寿ホールはほんとに音の響きがよくて、大好き。

セットリスト

・ Liberty City (Jaco Pastrius)
・ Enharmonie
・ ひまわり (Henry Mancini)
・ Monn River (Henry Mancini)
・ Do You Still Care?

・ Waltz for Debby (Bill Evans)
・ Mr. Tapman
・ 即興演奏
・ Forest
・ Smile (Charie Caplin)
・ Heat of Mind

=Enc.=
・ 2つのメヌエット
・ Side By Side (We Go)


1曲目の「Liberty City」。
この曲、1曲の中での静と動の対比、静かなときと強いときとで色の感じも違っていて、すばらしい。ガツンと強くいく時も硬くてキツ音じゃなくてさらっとしている。
なんだ、この余力のある感じ?

この曲聴きながら、今SALTさん自身がすごくいい、おだやかな精神状態なんだろうなぁ、と思ってました。

だから、そりゃいいコンサートになるはず、だわな。

「いろんなところでソロピアノをやっているけれど、ピアノと同じぐらい、それ以上に会場の響きも大きい。お客さんが入るとまた違って、湿度も違うし、みなさんの服の素材、綿100%なのか麻なのか、ぼくぐらいになるとわかりますよ。冬はウール、あれは吸収するんですよ」

この日、このネタをずっと引っ張ってました(笑)

・ Enharmonie

音が降ってきて静かに積もる。
モノトーン。それでも微妙な色の違いがある。
振ってくる音と、その下のほうで水の流れのようにゆらゆらと揺れて混ざり合う。
最後は心の中に積もって心の中の静かな水面を揺らし、また振ってきたものをしっかりと受け止める。

・ ひまわり (Henry Mancini)

最初のメロディだけでぐっとくる。
映画のソフィア・ローレンの心の中と対照的な一面はひまわり畑が目に浮かぶ。
さみしい、悲しい心があふれてきそうなところを寸でのところで止めていたのに、きれいなもの、圧倒的なものを目にして正反対のおさえていた感情までも揺り動かされてしまう。
最後は心の奥に沈めて遠くへ押しやろうとする。
なんていい音なんだ。

「名曲と呼ばれるものはただ普通にひくだけですごい。ただ素直に弾けば音楽になる。そういうシンプルで1回聞けば誰でも口ずさめるような曲を作りたいけれどそれが難しいんです。」

・ Monn River (Henry Mancini)

静かに、1音1音ずつ場面が変化するように。
心が落ち着いていてゆったりとしていて、夜空を見上げるくらいのおだやかさ。
少しロマンティックに夜空の向こうを思い描く。
少しずつ世界が広がる。星の数が増えて月の光が強くなる。
気持ちがまっすぐ、遠くまで広がっていくようで、このまま眠ったらいい夢が見られそう。

・ Do You Still Care?

この曲も夜の雰囲気だけれど月の光じゃなくて、人工的な灯り。
心にひっかかっているなにかがなかなか吹っ切れない、心の片隅に残っている。
モヤモヤ、葛藤、堂々巡り。
心が波立つ。何かを探している。出口?
前へ何かをかき分けて進んでいくように、はたまたもうひとりの自分は静かになだめようとしている。
そしてすとん、と自分に戻ってきて、最初よりもしっかりとした足取りで進む。何かに引っ張られるのではなく、自力で。

・ Waltz for Debby (Bill Evans)

いきなりかわいらしい感じ。パステルカラーのようなやさしい雰囲気。
さらっとやわらかくて、なんだかにこやかになる。
中間部から少しずつ早く動く。うれしくって思わず跳ねちゃうみたいな。
最初のメロディに戻るけれど、最初のゆったりではなくてもっとわくわくしていて、もっとニコニコしてうれしさが前面に出る感じ。

「ここでみなさんの体をほぐしたいんです。
4拍めで手拍子してほしい。それをずっとやってほしいんです。」

・ Mr. Tapman

ちらちらっと客席を見ながら、お客さんの手拍子に乗ってうれしそうに音がはずんでいる。手拍子がパーカッションの代わり?
ピアノとじゃれているみたいにうれしそうに弾いている。
わざとリズム崩してみたりしていじわるをしたりして、まったく手元見ないでお客さんをみながらうれしそう。

「すごいね、みんな!僕は相当いじわるしたんですけど、休符を演奏する、ということなんですかね。
ここで即興演奏。
梅雨入りしているというのに晴れてる。
梅雨なら梅雨らしく雨降ってほしい。雨振ったらまぁ梅雨だから仕方ない。
暑いのか寒いのか、晴れるなら晴れる、降るなら降れよ、そういう悶々とした気持ちを曲にしたいと。」

・ 即興演奏

なんとなくモヤっとした中に聴こえてくるメロディ。
上から降ってきた。別のほうからも聴こえてくる。
一瞬の静寂。
バラバラだったものがいつからか互いに応えて呼び合うように。そして混ざり合う。

ふたつの世界。
別のものがそのときだけ共存している。
静けさと猥雑さ。胸の高鳴りと静かな風の音。
ふたつの異質なもの。

きらめくひらひらしたものとどっしりとした大地の動き。
上につきあげていく力と上からガツンと降ってくるもの。
激しく動く。ぐいぐいとしたから上に突き上げる。
ゆったりと大きく旋回する風と、鋭いなにか。
ゆったりとした時の流れ。時に傷みを伴うようなとがった感情。
やわらかいものと硬いもの。

ゆったり。時の流れがここだけゆったりとなる。
左は時折静かに低く。それが過去のある1点に一瞬だけ戻るみたい。
時が止まったかのように周りに何もなくなる。ひとりだけ。
カーン、カーン、という強いけど小さい音が遠くで呼んでいる。

・ Forest

一気に森の中へ。これももやっとしている。
ここだけ時の流れが他と違う。
年月の重みが濃縮されているようにぎっしり詰まっているようで、少し重く感じるぐらい。

その中でも1日の流れがあり、強く光が降り注いで辺り一面が光に包まれる瞬間がある。それが静かに去ると、またどこからかメロディが聞こえてくる。
森が歌っているのか自分が歌っているのか。

そこから気持ちが大きく開かれ、自分も木々と同じようにここに根を張ってしっかり立っているような気持ちになる。
上のほうにきらめく光。すべてが自分に力を与えてくれるようで、自分自身がここの一部と化していくよう。

私の中では、この日、この曲は圧巻でした。

・ Smile (Charie Caplin)

やさしくあたたかく、手を伸ばせば届きそうなところにある。
それでいてまっすぐなピン、とした強さがある。
ぶれない強さ。それを信じている。どっしりしている。
だから、たぶんやさしい気持ちとか人に向けることができる。
音数少なくてもぶれないから、ずっと、すごくあたたかい。

「単純なとてもシンプル、それもAメロしかない。BメロもCメロもない。
サビなんか作らないぞー!童謡とか「ぞうさん、ぞうさん...」だけでしょ?
目ざすは童謡だな。今度、Aメロしかない、8小節しかない、1オクターブしかない曲を作りましょう。今日、ここで僕の目標が決まりました(笑)」

・ Heat of Mind

ガラッと変わって強くガンガンと。
この曲を最初に聴いたころは、弱々しさの中に見える強さだったけれど、今はもっと芯が強くて太くて。
それがあるから迷いなく進んでいけるような、まっすぐ前を見ている、感じ。
気持ちが強く、1歩1歩が力強くもっと遠くを見ている。
引っ張られるでもなく自分から強くいく。
焦らなくて大丈夫、って思っている。
作ったときと今のSALTさんの気持ちの変化、かな。

=Enc.=
・ 2つのメヌエット

・ Side By Side (We Go)



聴きながらいろんなものが見えるのは、やっぱりSALTさんが一番だな。
シンプルできれいなメロディの曲をたくさん弾いてくれたけれど、そういうシンプルな曲を 余計な音をいれずにメロディを際立たせて弾くことのほうが、実は難しいんじゃないかと思いました。
それだけの音色の多彩さをSALTさんが持っている、ってことなんだと思いました。

白寿ホールでのソロピアノはまた来月もあります!!

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