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No. 180 もがみ その2

小曽根さんが作ったピアノコンチェルト「もがみ」を、愛知芸術劇場で聞いてきました。
もがみ、というのは最上川のこと。
「最上川舟歌」という曲があるのですが、それをモチーフに作られた曲です。

以前、コラムにも書いたのですが、この曲は2年前に山形で開催された国民文化祭で演奏されるために作られた曲です。その時も山形まで聞きに行って、とても感動したのを覚えています。
(以前のコラムは
こちら #87へ 同じようなこと書いてるかも。)

小曽根さんは去年、コスタリカでコスタリカ国立交響楽団とこの曲を演奏したのですが、今回は日本で同じ交響楽団の方達と演奏されました。

第一楽章では、キラキラと太陽の光に輝く川面。まだ川幅が狭い上流からの流れ。
ちょろちょろとした水の流れ、その小さな流れがだんだんと大きくなっていく。
時にはくねくねと大きく蛇行し、時には傾斜のある場所で流れが速くなる。
大きな川は普段ゆるやかに流れているけれど、雨がたくさん降れば水量が増し、時には濁流になる。川を通じ、さまざまな風景が音によって目の前に繰り広げられていく。

第二楽章。打って変わって冬の川。厳しい冬と、悲しみ。景色はモノトーン。黒、白、グレーの無彩色。

いつしか雪が降っているのが見える。しんしんと静かに降る雪。

重く沈んだ気持ちと、それをそのまま映し出すような色のない風景。じわじわと悲しみが迫ってくるような、どんよりと重苦しい雰囲気。

そんな悲しみをずっと見届けるように、川はゆっくりと流れている。

第二楽章が終わると、ほんの一瞬の間を置いて、第三楽章が始まる。
最初のバン!という勢いのある音から、がらっと雰囲気は変わる。カーテンをさっと開け放ったように、今まで色の見えなかった風景にさまざまな色が一瞬にして加わる。

厳しい冬から、少しずつ芽が出て緑が見え始め、さらにいろんな色の花が咲き始める。
眠りから覚めたように動物たちが動き出し、空は青く、雲が流れ、風景が一気に明るくなる。
水は冬の間も涌き出ていたけれど、もっと勢いよく、次々と新しく湧いて出てくる水。
その流れは生き生きと、冬の間の悲しみに沈んだ川の水を押し流すように力強い、大きな流れとなっていく。最後、パイプオルガンの音が大きく響き、大きな希望を感じさせる。
(ここは山形では合唱団の方達のコーラスでした)

私の場合、音を聞きながら一度風景が目の前に浮かんでしまうと、そこからひとりでどんどん空想の世界に入ってしまうのですが(変?)、山形で聞いたときも今回もこんな風にさまざまな風景が浮かんで、時にはジワッと目頭が熱くなり、感動でした。曲が、音が、風景を連れて来るのです。(と言っても、私は最上川を見たことはないのですが)

第三楽章で、小曽根さんひとりで弾くカデンツァの部分があるのですが、小曽根さんが弾いているのを楽団の方達がうれしそうに、楽しそうに見ているのが印象的でした。
あとで小曽根さんにお聞きしたら、「こいつ何やらかすんだろ、って思ってたんじゃないか?」って、おっしゃってましたけど(笑) それに、日本人である小曽根さんの曲をコスタリカの方達が演奏する、ということにも意味があるんじゃないかと思います。

ほんとにまぁ、小曽根さんという人はいろいろとやってくれますねぇ。すげー。
また聞きたいっ!

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